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認知症予防と脳トレゲームの効果【楽しみながらトレーニング】

脳トレブーム

ここ数年、「ボケ防止」「認知症予防」などをうたう商品が様々な場面で見られるようになりました。いわゆる脳トレブームが続いています。今回は家庭用ゲーム機器の効果と課題に関して、文献なども参考にしながら考えていきたいと思います。

これまでの脳トレゲームの課題

最近の家庭用ゲーム機は、実写か?と見間違うほどの高いクオリティで作られているものを多く見かけます。

また、最近急激に利用者を増やしてきた「スマホゲーム」では、ギャンブル性を高めて射幸心を煽るようなものも、未だに多く存在しています。

いずれの場合も、利用者を如何に引き付けるかに大きなエネルギーを使っています。反面、脳トレと称するゲーム全般では、画質が悪い、システムが使い辛い、ゲームそのものが古いなど、決して「楽しんで」取り組めるものではありませんでした。

これからの脳トレゲームの効果

VR(virtual reality)

VRとは「バーチャルリアリティー」の略で、機械的(理工学的)な技術を用いて五感を刺激することで「そこにないことをあるように感じる」技術の総称になります。

最近はゴーグル型の映像機器を装着するタイプが代表的です。

VRによる認知機能訓練

VRによる仮想空間での宝探しゲーム(ゴーグル型VRを装着して腕を振ることで正面方向に進める)を行うことで、高齢者の注意機能や遂行機能を向上させる可能性が指摘されています(TMT-Bという認知機能テストの成績が向上)。

DSとSwitch

どちらも任天堂という会社から発売された家庭用ゲーム機器になります。DSは携帯用ゲーム機、Switchはテレビ用ゲーム機といった感じですかね。

☞Switchに関しては、コロナによる巣ごもり需要などで、家電量販店で売り切れになるなど話題になったゲーム機器です。

2005年頃に、DS用の脳トレゲームソフト(DS脳トレ)が発売されると大ヒットとなった商品です。ただ、2010年に「Nature」に掲載された論文では「脳トレゲームを行っても効果はない」と結論付けられています。

「Nature」とは?
イギリスで発刊される世界的に権威のある学術総合雑誌です。

ただ、2013年に日本国内で発表された論文では、DS脳トレを行うことで、遂行機能・処理速度・作業記憶などが向上すると報告されており、評価が二分されている印象です。

DS脳トレの検討課題

DS脳トレの効果を支持する人たちによっても、DS脳トレの検討課題が挙げられています。以下に代表的な課題を挙げていきます。

1.認知症の方の認知機能を向上させるのか?

DS脳トレの効果を報告する研究では、健康な高齢者などが対象となっています。つまり、認知症「予防」の視点で効果が語られていると言えます。

認知症の方や軽度認知症の方などへの効果は不明確です。つまり、認知症「改善」という視点では語られていないと言えます。

2.どのくらい効果が持続するのか?

DS脳トレの効果を報告するある研究では、4週間という短い期間での効果を報告しています。ただし、この効果がどの程度持続するかについては不明確となっています。

効果の持続期間が分かってくれば、DS脳トレを行う適切な頻度も分かってくるので今後の研究報告が待たれますね。

3.日常生活能力を改善するのか?

個人的には最も重要な内容だと考えています。DS脳トレの効果とは、紙面上のテスト(認知機能検査・心理検査等)で効果があったということです。

ただし、紙面上のテスト結果がそのまま日常生活能力に繋がるわけではありません(紙面上テスト≠日常生活能力)。

当然のことですが、私達が最終的に求めていることは「紙面上のテスト結果」ではありません。やはり、生活がより良く送れること「日常生活能力の向上」ではないでしょうか?

脳トレゲームの現状

これまでの内容から、脳トレゲームが「認知症予防に効果がある」と言うには、まだまだ不十分と言えるかもしれません。ただし、「楽しむ」という視点では、とても有効な手段ではないでしょうか?

認知症予防に限らず、物事を継続するうえで「楽しむ」という視点は非常に重要です。机上課題と比べると、立体的で動きもあり「飽きずに」「楽しく」継続することが出来るでしょう。

加えて、単独で行うのではなく、複数人でゲームを行うなど「仲間との交流」が加われば、更なる効果が期待できると言えるでしょう。

まとめ

  1. 過去の脳トレゲームは、画質やシステムなどのクオリティが低いものが多かった
  2. 最近の脳トレゲームは、VRや家庭用ゲーム機などが進出しておりクオリティが高くなった
  3. DS脳トレの効果に関しては、相反する報告が出されている
  4. DS脳トレの課題として、認知症の方への効果、効果の持続期間、日常生活能力への効果が挙げられる
  5. 物事を継続するうえで大切な「楽しむ」という効果が期待できる

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プロフィール


下関バリアフリー観光情報の収集・発信を行っている森井広毅(もりい ひろき)と申します。

医療介護施設にて作業療法士として勤務する傍ら、休日は下関を中心とした関門地域で活動。

高齢者や障害者の方が外に出るきっかけになる情報を発信することで、活き活きと暮らす人が増えること。

下関に多くの方が訪れることで、関門地域の活性化にも貢献していきたい。

2004年作業療法士免許取得。回復期病棟や医療療養病棟など医療分野に加えて、訪問リハビリなど介護保険分野も経験。

新病院のリハビリテーション部門立ち上げや通所リハビリ施設の責任者などを担当。

作業療法士→リハビリ専門家、国内旅行業務取扱管理者→旅の専門家、介護支援専門員→介護保険の専門家、住環境福祉コーディネーター→福祉用具の専門家として、「人が活きる」ことを目標として活動中。

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