BLOG

旅と、
リハビリ。

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 認知症
  4. 認知症の代表的な種類と対応方法について【リハビリ専門家が説明】

認知症の代表的な種類と対応方法について【リハビリ専門家が説明】

目次

認知症の種類

ひとくちに認知症と言っても幾つかの種類に分けることが出来ます。以下に代表的な認知症の種類について説明していきます。

引用資料:厚生労働省老健局「認知症施策の総合的な推進について」

認知症種類別の特徴

アルツハイマー型認知症の特徴

アルツハイマー型認知症は認知症全体の7割弱を占める最も代表的な種類となります。

アルツハイマー型認知症では、脳内に異常なタンパク質(アミロイドβ)が溜まることで、脳の神経細胞を破壊(脳委縮)する病気になります。

代表的な症状としては、記憶障害や見当識障害などが挙げられます。

始めは簡単な物忘れなどが中心ですが、段々と緩やかに症状が進行していき最終的には記憶障害だけではなく、反応そのものが乏しくなり寝たきりとなってしまします。

☞見当識とは?
時間や場所など自分が置かれた状況を把握する能力

脳血管性認知症の特徴

脳血管認知症では、脳梗塞や脳出血などにより、脳への血液が滞ることで脳細胞が死んでしまう病気になります。高血圧や糖尿病などの生活習慣病が原因であると言われています。

脳血管障害が起こるたびに症状が進行します。脳血管障害が起こる部位によって症状に違いが出ます。

脳の限定的な場所に障害を受けることが多いため、良い機能とそうでない機能がハッキリと分かれる「まだら」と呼ばれる症状も特徴です。

☞まだら認知症とは?
人間の脳は部位によって、それぞれ役割(機能)が分かれています。その為、障害を受けた部位にある役割だけが機能低下を起こしてしまうことを指します。

レビー小体型認知症の特徴

レビー小体型とは、脳内に異常なタンパク質(レビー小体)が溜まることで、脳の神経細胞を破壊してしまう病気になります。

特徴的な症状として幻視(現実にはないものが見える)、手足の震えや筋肉のこわばりなどのパーキンソン症状などが現れます。良い状態と悪い状態を繰り返しながら進行していく特徴があります。

☞幻視とは?
「実際にはないものが見える」症状です。本人にはハッキリと感じる(知覚)ことが出来ているので、リアリティーをもった表現となります。

認知症と物忘れの違い

私達でも、日頃から物忘れはあります。ただし、即「物忘れ=認知症」とはならないことに注意が必要です。では、認知症と物忘れの違いはどこにあるのでしょうか?具体的な例を挙げてみました。

☞認知症の場合
昨日の夕食を食べたこと自体を忘れる。

☞物忘れの場合
昨日の夕食を食べたことは覚えているが、献立を忘れる。

どうでしょうか?似ているようで違うことが分かりますか?認知症の場合は「体験そのもの」が抜け落ちてしまうのに対して、物忘れの場合は「体験の一部」が抜け落ちていると言えます。

自分自身の事として考えてみて下さい。昨日、学校や職場で起こったことを全て覚えている人はいないでしょう。ただ、それで特に困ることはありません。

でも、学校や職場に行ったこと自体を忘れてしまったらどうでしょう?日常生活をスムーズに送ることが出来なくなるでしょうし、大きな不安にも襲われるでしょう。

認知症への対応方法

医療の専門家であれば、症状別に対応(治療)方法は変わってくるでしょう。

ただ、我々がやるべきことは、認知症の種類に依らず共通した大切な方法になってくるでしょう。

薬の見直し

実は、服用中の薬が原因で認知機能が低下するケースがあります。特に高齢者ではその傾向が強くなるようです。

原因となりえる薬は沢山あるため、一般の方が判断することは難しいでしょう。そこで、私達ができることは専門家に訪ねてみることです。

一番は主治医。または、担当の薬剤師でも良いでしょう。

☞薬について質問してみましょう
①どういった目的で処方されているのか?【薬の種類】
②どういった目的でこの量が処方されているのか?【薬の量】
③どれぐらいの期間処方されるのか?【薬の期間】

当たり前ですが、質問を受けるということは返答をする必要があります。

返答をする為には、事前に返答内容を考えることになります。つまり、間接的ではありますが、「投薬内容の検討」をお願いすることにもつながるのです。

症状の進行に合わせた対応

上の図でも説明したように、認知症の種類によって症状の進行具合は変わってきます。加えて、個人差という影響も出てきます。

認知症のどの種類にあたるのか?1日の中でも症状に違いがあるのか?よく観察をしたうえで、状況に合わせた対応が必要となります。

気持ちに寄り添う

アルツハイマー型認知症の場合、徐々に機能が低下していく「段階的な喪失体験」を繰り返していると言えます。これは、誰でも大きな不安に襲われますよね…。

いわゆる認知症に伴う問題行動として捉えられるBPSDに関しても、それなりの理由(背景)があると考えることが大切になります。

目の前の行動に対する理由(背景)を知ることで、私達も気持ちに余裕を持って対応することが可能になるのではないでしょうか。

BPSDの説明

引用文献:厚生労働省 BPSD:認知症の行動・心理症状

まとめ

  • 認知症には種類がある
  • 代表的な種類→アルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型
  • アルツハイマー型→認知症全体の7割弱を占める、緩やかな進行
  • 脳血管性→脳血管疾患をきっかけに進行、脳機能のバラつきである「まだら」症状
  • レビー小体型→幻視が特徴、良い時とぞうでない時を繰り返しながら進行
  • 認知症と物忘れは違う→認知症は体験そのものを忘れる、物忘れは体験の一部を忘れる
  • 対応方法→薬の見直し、症状の進行に合わせた対応、気持ちに寄り添う
リハのお仕事

関連記事

ブログ