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認知症でも旅行は出来る!【4つのポイントを専門家が解説】

認知症と旅行

認知症の家族や友人を旅行に連れて行きたいけど、「本人に負担にならないだろうか?病状が悪化しないだろうか?周囲に迷惑をかけたりしないだろうか?」一歩が踏み出せない方もいると思います。

実は、認知症の基本的な知識を身に付けていれば、問題なく旅行を行うことができます。むしろ、旅行を行うことで認知症予防の効果も期待できると言われています。

なぜなら、私は医療・介護分野で作業療法士として、認知症の患者さんを数多く旅行に送り出してきた経験があります。そして、旅行に行った多くの方が「行って良かった」と言ってくれています。

この記事では、認知症の方が安心して旅行いくための4つのポイントを、認知症の基本的な理解をふまえて説明していきます。

この記事を読み終えると、自信をもって認知症の方との旅行を計画することができるようになります。

旅行先は過去に行ったことがある場所へ

旅行先は認知症の方が過去に行ったことがある場所がおススメです。

なぜなら、認知症の特徴として「新しい環境」が苦手であるという面があるからです。

認知症の症状として、「中核症状」というものがあります。この中核症状の中でも、記憶障害と見当識障害が大きく影響していると考えられます。

☞記憶障害とは障害とは
物事を覚えられなくなったり、思い出せなくなる症状。特に最近の新しい出来事を覚えることが難しくなる。

☞見当識障害とは
時間や場所、人との関係が分からなくなる症状。症状は時間から始まり、場所、人へと進んでいくパターンが一般的。

つまり、認知症の場合、行ったことのない場所では「なぜ」この場所にいるのか?この場所は「どこ」なのか分からなくなり混乱をしてしまいます。

例えば、あなたが眠っている間に見知らぬ場所に連れてこられて、ポンッと放り出されたらどうでしょうか?それと同じ状況になっていると考えて下さい。

認知症の中核症状

引用文献:厚生労働省老健局 認知症施策の総合的な推進について(参考資料)

以上の理由から認知症の方の旅行先は、過去に行ったことがある場所がおススメになります。

無理のない旅行プランを

無理のない旅行プランを計画しましょう。

最初にも説明したように、認知症の方は新しい環境を苦手としています。私達でもそうですが、旅行という非日常は楽しい反面、疲労も大きくなります。

認知症の中核症状として、実行機能障害や理解・判断力低下の影響により、周りで起きていることを適切に処理することが難しくなっています。その為、より大きく疲労を感じることが予想できると思います。

☞実行機能障害とは
計画や段取りを立てて行動できない。

理解・判断力低下とは
考えるスピードが遅くなる。⇒家電やATMなどの操作が難しくなる。

訪れる観光施設を減らすこと、近場の旅行先を選ぶことで移動時間を減らすこと、休憩時間を増やすなど、いつもの旅行よりも、ちょっとだけ余裕をもったスケジュールを組んでみましょう。

人混みや刺激を避ける

人混みや街の騒音など、刺激が多い場所は避けましょう。

認知症の方は、周囲の刺激をより強く受けやすい状況にあります。それを、医療介護では「易刺激性(いしげきせい)」と呼んでいます。

私達の周りでは様々な刺激(情報)が飛び交っています。しかし、通常はそのような刺激の影響を強く受けることはありません。

通常、私達では「脳みそ」が上手く働いてくれて、刺激を受けても「まあまあ」と気持ちを落ち着けてくれます。会社で先輩に小言を言われて「この野郎!」と思っても、ニコニコして「すいません」と言える能力です☺

認知症の方の場合、脳みそ(もう少し詳しく→前頭葉)の働きが弱くなっています。その為、たくさんの刺激にイチイチ反応していまうことになるのです。これでは疲れますよね…。

刺激の少ない旅行コースを考えるのが基本ですが、観光地などでは難しい場合もあると思います。そういった場合は、時間を短くする、休憩を多めに取るなどで対応すると良いと思います。

バリアフリー観光のススメ

とは言っても、個人で対応するには限界があります。その様な時には人の手を借りるのがベストだと思います。

各地域ではバリアフリー観光の情報(サイト)を準備していてるケースも多くなってきています。また、観光ガイドヘルパーや入浴(温泉)介助を行うサービスなども出てきています。

まずは、ネットなどで下調べをしてみることをおススメします。

当サイトでもバリアフリー情報に加えて、観光ガイド(休止中)やプランニングのサービスを提供しています。よろしければご検討下さい。

まとめ

  1. 過去に行ったことがある場所へ:記憶障害と見当識障害の影響により新しい場所が苦手
  2. 無理のない旅行プランを:実行機能障害や理解・判断力低下により疲れやすい
  3. 人混みや刺激を避ける:前頭葉機能の低下により易刺激性となる
  4. バリアフリー観光のススメ:地域のバリアフリー情報やサービスを積極的に検討する

認知症の方であっても旅行は難しいものではありません。上記4つのポイントを考えて頂ければ、案外スムーズに旅行が出来るかもしれません。

旅行によって、認知症の方には適度の刺激が入ることでリハビリにもつながります。また、同行する家族にとってもリフレッシュにつながることでしょう。

 

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プロフィール

プロフィール


下関バリアフリー観光情報の収集・発信を行っている森井広毅(もりい ひろき)と申します。

医療介護施設にて作業療法士として勤務する傍ら、休日は下関を中心とした関門地域で活動。

高齢者や障害者の方が外に出るきっかけになる情報を発信することで、活き活きと暮らす人が増えること。

下関に多くの方が訪れることで、関門地域の活性化にも貢献していきたい。

2004年作業療法士免許取得。回復期病棟や医療療養病棟など医療分野に加えて、訪問リハビリなど介護保険分野も経験。

新病院のリハビリテーション部門立ち上げや通所リハビリ施設の責任者などを担当。

作業療法士→リハビリ専門家、国内旅行業務取扱管理者→旅の専門家、介護支援専門員→介護保険の専門家、住環境福祉コーディネーター→福祉用具の専門家として、「人が活きる」ことを目標として活動中。

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