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認知症デイサービスの効果とは?【リハビリ専門家が解説】

はてなのひと
はてなのひと
認知症デイサービスって、認知症の方にどのような効果があるのかな?

リハビリ専門家である作業療法士として、医療介護の現場で長年活動している私が説明します。

目次

認知症デーサービスの効果はある?

結論からお伝えすると、認知症デイサービスは認知症の方に対して効果はあると言えます。

ただし、何をもって「効果がある」と言えるのか?に関してまずは、認知症デイサービスについて理解していく必要があります。

これから順番に説明していくので、よろしけれお付き合い下さい☺

認知症デイサービスとは?

認知症デイサービスの正式な名前は「認知症対応型通所介護」といいます。※本記事は「認知症デイサービス」の名前で進めていきます。

認知症デイサービスを一言で説明すると、「利用定員を少なくして(12人以下)、より手厚く介護サービスを提供する施設」と言えます。

認知症デイサービス概要・基準

引用データ:厚生労働省 通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護

認知症デイサービスの特徴

認知症デイサービスの特徴について、それぞれメリット・デメリットの両面から説明していこうと思います。

利用定員が少ない

通常のデイサービスの場合、利用定員が100名を超えるような大型施設がある一方で、認知症デイサービスの場合は最大で12名までとなっています。

メリット

利用定員が少ないということは、利用者1人に対応できる職員(数・時間)が充実していると言えます。

認知症の方に対して、場合によっては、「長時間横についてマンツーマン対応をする」なども、認知症デイサービスだからこそできる介護サービスと言えます。

また、認知症の方の場合、多くの刺激が入る大集団は苦手なケースもあります。

小人数でアットホームな雰囲気は、刺激を程よくコントロールする理想的な環境と言えるでしょう。

デメリット

利用定員が少ないということは、利用料金(点数)が通常のデイサービスよりも割高になります。

認知症デイサービス料金

引用データ:厚生労働省 通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護

場合によっては通所リハビリテーション(デイケア)よりも割高になるケースもあります。

回数やその他の介護サービスなどに利用制限がかかってくる可能性もあるので注意が必要です。

認知症に対する専門的な介護

認知症の要介護状態の方に限定した施設になります。そのため、認知症に対する専門的な介護が期待できます。

メリット

認知症の方の場合、BPSDなど特有の症状が現れる可能性があります。

そういった場合でも、現場の介護スタッフも対応に慣れているため、安定した介護を受けることができます。

介護スタッフが安定して対応できるということは、認知症の方が穏やかに過ごすうえで、とても重要なことだと言えます。

デメリット

勘違いされることが多いのですが、「認知症介護に特化」していることと、「認知症リハビリに特化」していることは別になります。

認知症デイサービスは小規模施設となるため、認知症に対するリハビリ専門家(作業療法士・言語聴覚士等)が配置されているケースはかなり少ないです。

つまり、認知症に対してより積極的なアプローチを行っていきたいのであれば、通所リハビリ(デイケア)など、リハビリ専門家が配置されている施設を利用する必要があります。

☞リハビリ専門家との連携
リハビリ専門家を配置していない認知症デイサービスでも、外部のリハビリ専門家と連携して介護プラン検討を行う施設もあります。具体的には「生活機能向上連携加算」という加算を取得している施設が実施しています。

生活機能向上連携加算

引用データ:厚生労働省 通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護

☞施設の加算状況を知る方法
厚生労働省や各自治体がホームページ上で各施設ごとの情報を公開しています。より詳しく知りたい場合はケアマネージャーを通したり、施設に直接確認するなども良いでしょう。

認知症≠認知症デイサービス

私個人的には、認知症イコール認知症デーサービス利用ではないと考えています。

まずは、リハビリ専門家のいる施設で認知症の状況評価やリハビリ方法検討を実施する。

介護(リハビリ)の方針が決まってから、認知症デイサービスの利用という流れが良いと言えます。

デイケアから認知症デイサービスへ

認知症デイサービス効果のまとめ

  • 認知症デイサービスの正式名称は認知症対応型通所介護
  • 認知症デイサービスの利用定員は最大で12名
  • 利用定員が少ないので手厚い介護を受けることができる
  • 一般のデイサービスと比べると利用料金が割高になる
  • 認知症対応に慣れた介護スタッフが多い
  • リハビリ専門家(作業療法士・言語聴覚士等)が配置されているケースは少ない
  • デイケアなどで評価やリハビリ方法を決定してから認知症デーサービスを利用する流れがオススメ
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