認知症捜索願い【具体的な方法と流れを説明】
「認知症の家族が行方不明になった!」突然のことに周りは大慌てになるでしょう。
いざという時に確実に行動できるように、病院や地域で認知症の方へのリハビリを実施している私が、捜索の流れを説明していきます。
目次
認知症捜索願いの流れ
認知症の方が行方不明になった場合に捜索を依頼する場所は、大きく分けて「警察・行政(役場・地域包括ケアセンター)・地域(自治会)」3か所になります。
それぞれに特徴(強み)があるので、順番に説明していきますね。
認知症行方不明者の状況
引用データ:警察庁 令和元年における行方不明者の状況
警察庁の発表によると、認知症(疑い含む)の方が行方不明になる件数は年々増えている状況にあります。
また、行方不明の原因・動機としても認知症が最も多い割合(構成比20.1%)となっています。
☞認知症は申し出をカウント
原因を「認知症」とカウントしているのは、あくまでも申し出があった場合のみです。実際には申し出のないケースもあると思われるので、認知症を原因とする数は更に増える可能性があります。
認知症の方はこれかもドンドン増えていくとされています。つまり、認知症を原因とした行方不明者も増えていくことが予想されます。
引用データ:内閣府 高齢化の状況
誰にでも起こり得る問題として、準備していく必要があると言えますね。
警察への捜索願い
まずは、最寄りの警察署に捜索願いを出しましょう。
「警察」への連絡となると躊躇しがちですが、捜索開始が早ければ早い程、発見できる可能性が高くなります。
警察への捜索願いを出すときには、本人の写真、本人の特徴、行方不明当日の服装や時間帯など、出来るだけ具体的な情報を揃えておきましょう。
行方不明から9時間以上を経過すると、発見率は徐々に下がっていきます。このことからも、徘徊による行方不明が発生した場合いかに早く気付き、通報し、操作を開始するかが、非常に重要なポイントになっているようです。
行政(役場・地域包括ケアセンター)への捜索願い
警察への捜索願いに続いて、行政、特に地域包括ケアセンターへ捜索願いを出します。
地域包括ケアセンターとは、「高齢者を様々な手段で支えていく」公的な施設になります。各地域(中学校区レベル)に設置されています。
引用データ:厚生労働省 地域包括センターの概要
地域によって取り組みの差はありますが、事前に相談・登録をしておくと、いざという時スムーズに捜索に移ることができます。
地域(自治会・町内会)への捜索願い
行方不明になった認知症の方を発見する一番の手段は「地域の目」ではないでしょうか?
普段からその地域で生活している人達であれば、「見かけない人がいるぞ?」「近所の〇〇さんを見かけたけど様子が変だな?」「人目が届かない場所がある」などなど、重要な情報を沢山もっているはずです。
いざという時に備えて、普段から自治会長さんなどと情報交換しておくのが効果的ですね。
警察・行政・地域の連携
これまで説明してきた「警察・行政・地域」は、バラバラに動くのではなく、連携することでより効果を発揮することができます。
まだまだ、地域差が大きな取り組みでもありますが、先駆的な取り組みを行っている自治体を紹介します。
大牟田市の取り組みの素晴らしいところは、警察署への通報ワンアクションで様々な団体に情報が発信されることだと思います。
認知症行方不明者捜索の原則である、「より早く・より広く」に合致する取り組みですね☺
引用データ:大牟田市長寿社会推進課
そして何より素晴らしいのが「徘徊=ノー」ではなく「安心して徘徊できる町」を目指すというスローガンです。※原文尊重のため「徘徊」という言葉を使用しています。
「ダメダメ」と認知症の方の自由を制限することなく、認知症の方の安全を確保していく。うん、素晴らしい取り組みです。
皆さんもお住まいの地域で、どのような取り組みがされているのか?事前に調べておくことをおススメします☺
まとめ
- 認知症捜索願いの流れ→警察・行政(役場・地域包括ケアセンター)・地域(自治会)
- 認知症行方不明者は今後も増えていく
- 警察への捜索願い→躊躇せずに行う→本人の情報を準備しておく
- 行政への捜索願い→地域包括ケアセンターに事前に相談・登録を行っておく
- 地域への捜索願い→地域の目は効果的→普段から自治会長などと情報交換しておく
- 警察・行政・地域が連携することで、より効果を発揮
- 先進的な取り組みを行っている自治体もあり
- 自身が住んでいる地域の取り組みを事前に調べておく