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認知症予防に効果的な運動方法【週1回30分からでOK!】

認知症予防の重要ポイント

認知症予防に重要なポイントは「食事」「運動」「休息」であると言われています。今回はその中でも「運動」について、文献データなども参考にしながら効果的な方法を考えていきたいと思います。

認知症予防には運動が効果的

厚生労働省の報告では、2025年には認知症を有する方が約700万人に達するとされています。つまり、自身を含めて家族など周囲の誰もが向かい合う可能性がある問題であるとも言えます。

認知症予防(改善)に「必ず」効果がある方法は残念ながら判明していません。ただ、効果が「期待」される方法の1つとして「運動」が挙げられています。

運動の効果

近年の研究で、運動の中でも特に有酸素運動を実施することで、記憶を司る「海馬」の容量が増大したと報告されています。これは、運動によって、海馬に関係する血管が新たに造られたことや、海馬への血流量が増大したことが影響していると考えられます。

もう少し詳しく

もう少し詳しく説明します。難しい言葉も出てくるので、飛ばして読んでいただいてもOKです♪

脳の働きを支える栄養分に「BDNF(脳由来神経栄養因子)」と呼ばれるものがあります。このBDNFは記憶を司る海馬を中心に多く含まれおり、海馬の働きにも強く関わっていることが判明しています。

運動(有酸素運動)は、このBDNFや神経伝達物質(ノルアドレナリンなど)の生成(放出)を促す働きがあります。結果、海馬の神経細胞でエネルギーを作り出す役割のミトコンドリアの働きも活性化されるという流れです。


また、認知症(アルツハイマー)の原因と考えられる「アミロイドβ」が脳内に溜まるのを抑制する働きが期待される、「ネプリライシン」という物質の活性化にも運動が深く関係してる可能性が指摘されています。

ミトコンドリアとは?
ミトコンドリアとは生物の細胞内に存在する小器官の一つです。主な役割として細胞が働く為のエネルギー生産を担っています。独自のDNAを持つなど特殊な器官であり、その昔、ミトコンドリアが人間に反乱するというホラー映画(パラサイトイブ)もありましたね。

運動の種類

認知症予防に効果がある「運動」には幾つかの種類が報告されています。

  1. 有酸素運動
  2. コグニサイズ(認知+運動の2重課題)
  3. レジスタンストレーニング(筋トレ)

1.有酸素運動

有酸素運動とは低から中等度の負荷(やや楽に感じる運動)を一定の時間続ける運動になります。名前の通り、筋肉を動かす際に酸素を利用する運動でもあります。

筋肉が酸素を利用する際に糖質や脂肪も使用することになります。ダイエットには有酸素運動が有効であると言われる所以はそういったところからも来ています。

代表的なものとしてはウォーキングやスイミングなどが挙げられます。

2.コグニサイズ

コグニサイズとは国立長寿医療研究センターが開発した運動と認知課題(計算、しりとりなど)を組み合わせた、認知症予防を目的とした取り組みの総称を表した造語です。英語のcognition (認知) とexercise (運動) を組み合わせてcognicise(コグニサイズ)と言います。Cognitionは脳に認知的な負荷がかかるような各種の認知課題が該当し、Exerciseは各種の運動課題が該当します。運動の種類によってコグニステップ、コグニダンス、コグニウォーキング、コグニバイクなど、多様な類似語があります。コグニサイズは、これらを含んだ総称としています。

引用:国立長寿医療研究センター

具体的な運動方法は以下のパンフレットをご参照下さい。

3.レジスタンストレーニング(筋トレ)

レジスタンストレーニングとは、筋肉に一定回数の負荷をかけたトレーニングを指します。主には筋力(筋持久力・筋パワー)向上を目的としています。

自重(自身の体重)を利用したスクワットや腕立てや、ダンベルなど道具を利用した方法もあります。負荷のかけ方や道具の種類によって様々なトレーニング方法があるのも特徴です。

有酸素運動が一歩リード

過去の文献などを見ると、3種類の運動の中でも有酸素運動の効果を報告するケースが多いようです。

更に、有酸素運動は、認知症予防の重要項目である「運動習慣の維持」についても優位である言えます。何故なら、有酸素運動は他の2種類の運動と比べて負担が少なく気軽に行うことが出来る為、「長く続ける=運動習慣の維持」に繋がるからです。

おススメの運動方法はノルディックウォーキング

これまでの内容をまとめると、有酸素運動を中心としながら、コグニサイズやレジスタンストレーニングを兼ねることが出来る運動がベストと考えられます

以上の条件を満たす運動としておススメなのが「ノルディックウォーキング」になります。皆さんも一度は聞かれたことがあると思いますが、スキーのストックの様な物を突きながら歩く運動です。

有酸素運動

ウォーキングは代表的な有酸素運動に挙げられます。更にストックを利用することで膝への負担を減らすことが出来ます。結果、膝への不安がある方でも出来る可能性があります。

コグニサイズ

ウォーキング中に認知課題を取り入れることで可能となります。例えば、同行者と「しりとり」を行うなども効果的でしょう。

レジスタンストレーニング

ストックを利用すつことで、上半身に適度な負荷を継続的にかけることが出来ます。

ノルディックウォーキングの具体的な方法

ストック

専用のストックを購入した方が良いでしょう。自身の体格や体力に合ったものを使うことで、より効果的なウォーキングを行うことが出来ます。☞こちらのサイト(ミズノ)で詳しい方法が載っています。

スピード

ウォーキングのスピードは「やや速足」ぐらいが効果的です。遅すぎると運動効果が薄れますし、速すぎると転倒リスクが高まりますし、負荷も高くなりすぎる恐れがあります。

負荷量

負荷量は「やや息が切れる」ぐらいが良いでしょう。全く呼吸が乱れないのは負荷量が低すぎますし、「肩で息する」程であれば、負荷量が高すぎます。

時間と頻度

1回あたりの時間は30分。可能であれば1時間程行えると良いでしょう。頻度は週1回からでもOKです。慣れてくれば、週3回程行えるとより効果的になります。

認知課題

同行者がいれば「しりとり」がオススメです。1人の場合でも、周りに見えるものだけで1人しりとりを行うなどで実施が可能となります。例)ゆうびんきょく→くつ→つりぐや等。

ポイント
・ ストックは専用品を用意
・ 「やや速足」ぐらいのスピード
・ 「やや息が切れる」ぐらいの負荷量
・ 30分~1時間を週1回から
・ 認知課題はしりとりがオススメ

認知症予防には総合的なアプローチが重要

認知症予防には有酸素運動が有効であることを紹介してきました。加えて、コグニサイズやレジスタンストレーニングを加えた総合的なアプローチであれば、更に効果が高まる可能性も分かってきました。

また、運動だけでなく食事も組み合わせることも効果的であると言われています。今後も様々な視点から認知症予防についての紹介を行っていく予定です。

 

 

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プロフィール

 

 

病院にて作業療法士として勤務する傍ら、休日は関門地域を中心にバリアフリー観光情報の収集・発信を行っている森井広毅(もりい ひろき)と申します。ご高齢の方や障がいをお持ちの方が外に出るきっかけになる情報を。訪れる人が増えることで、関門地域の活性化にも貢献できたらと考えています。

 

・平成30年度やまぐちユニバーサルデザイン大賞優秀賞受賞

・毎日新聞「ひと人」取材

・古都の浦同窓会講演

 

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