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IADL・手段的日常生活「食事の準備編」~動作別の問題点と対応方法~

食事の準備(調理)とは

私達が食事を取る為の手段としては、①自身で調理をする(自炊)、②弁当などを買って帰る(中食)、③注文する(宅配)、④外のお店で食べる(外食)などが挙げられます。

手軽さで言えば、④→①の順になります。反面、②③④に関しては、栄養バランスの偏りや経済的負担の増加など、デメリットも挙げられます。その為、出来るだけ①の自炊を行っていくことが求められると思います。
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調理動作の分析

※調理に必要な材料などは、予め揃っていることを前提に進めます。買い物動作に関しては、以下のリンクをご参照下さい。

  1. 調理内容(メニュー)の検討⇒家にある材料から必要な量だけ料理を作ることが出来るメニューを検討する。加えて、栄養バランスなども考慮する必要あり。
  2. 調理に必要な材料を準備⇒食材や調理器具などをキッチンに準備する。
  3. 調理の手順を検討⇒全てのメニューを同時に調理することは基本的にはないので、メニューごとの出来上がり時間を想定して手順を検討する。
  4. 調理(動作)⇒主要な動作は「混合・加熱・粉砕(参照先後述)」に分類され、各種特有の上肢操作が必要となる。また、限られた空間の中で、左右横移動、回転動作、上下方へのリーチ動作など複雑な動きを連続して行うことが求められる。
  5. 調理(認知)⇒複数の調理を同時に行うケース(パスタ料理⇒麺茹でとソース作りなど)ではワーキングメモリなど高度な認知機能が求められる。特に「火」の扱いに関しては安全上の問題から徹底した管理が求められる。
  6. 盛り付け・配膳⇒メニューに合ったお皿の選択が必要。また、基本的には高温状態のメニューが多い為、安全に盛り付け・配膳する能力も求められる。

調理動作別の対応方法

①「調理内容(メニュー)の検討」対応

必要な材料を準備する為には認知機能(記憶)が求められます。

②「調理に必要な材料を準備」対応

メニューに沿った食材や調理器具を準備する必要があります。特に大きな鍋などは重量があるうえに、大抵は一番下の戸棚に収納してあることが多いので相応のバランス機能や筋力を必要とします。

調理中に都度、食材や調理器具を用意することは意外に難しいものです(特に火などを扱っている場合は慌ててしまう)。取り易い場所に事前に準備しておくことが、スムーズに行う為のコツと言えるでしょう。

③「調理の手順を検討」対応

メニューごとの出来上がり時間を想定して、調理の手順を検討する必要があります。例)ご飯を炊く時間が1時間程かかるので先に炊飯ジャーをセットしてから調理しよう等。

複数のメニューの出来上がりを頭の中で管理することは意外に難しいものです。対策の一つはメモなどを使用して簡単な工程表を作ることをお勧めします。その他、メニューの内容そのものをシンプル(品数や工程を減らす)にする方法もあります。

④「調理(動作)」対応

引用文献:料理映像における調理動作の解析

調理動作は「混合・加熱・粉砕」で全体の半分以上を占めることが報告されています。よって、3点について対策の説明を行っていきます。

混合(加える・混ぜる)

例)⇒「カレールーを鍋に加えて混ぜる」など挙げられます。3点の中では比較的難易度(危険度)が低い動作といえるかもしれません。加える物を鍋の上まで移動させて適当な方法(加減)で入れる(勢いよく入れると飛び跳ねる)。

混ぜる場合、ボールなど軽い物で行う場合はボールが動かないように固定する必要があります。シリコン製の鍋敷きなどを利用すると簡単に固定することが出来る為、片手でも行うことが出来ます。

また、混ぜる道具として菜箸やヘラなどがあるでしょうか?握力の低下や手指の巧緻性(細かい動き)の低下などで、道具が持ちづらい場合は万能カフなどを利用する手もあります。
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加熱(炒める・焼く)

例)⇒「鍋でタマネギ、ニンジン、ジャガイモ、牛肉を炒めてカレーを作る」など挙げられます。火(熱)を利用する為、スピードと安全性が求められる動作となります。

加熱に利用する道具も菜箸やヘラが中心となるでしょうか。上段でも述べたように、持ちづらい場合は「万能カフ」などの利用も検討していきます。

最近のIHやガスコンロは、調理器具の状態(温度)を判断して火力を調整してくれるものが多くなっています。また、「消し忘れ防止」や「焦げ付き防止」など安全機能も充実しています。多少値段は張りますが、検討してみても良いでしょう。その他、電子レンジを積極的に利用するなどして、「火」を使用する機会を極力減らすことも効果的だと思われます。

粉砕(切る・砕く)

包丁など刃物を使用する為、安全面に対して十分な配慮を行う必要があります。刃物を握る(○○握り)能力に加えて、固い食材などを切る場合は手首の力(手関節尺屈)も必要となります。また、反対の手で食材を固定する必要もあります。

包丁で怪我をする可能性が高いのは、包丁を持っていない手(非利き手)となります。包丁操作が不十分な場合は、如何に非利き手の安全性を確保するかが重要となります。

刃物そのものを固定する方法、食材を固定する方法などが考えられます。福祉用具などを効果的に利用することをオススメします。
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⑤「調理(認知)」対応

調理動作は基本的には複数の作業を同時に処理することが求められます。同時に複数の作業を行うことが難しい場合は、一つ一つ順番に行える様に工程を見直してみましょう。

⑥「盛り付け・配膳」対応

料理別に個々に盛り付け配膳すること、はかなりの手間がかかってしまいます。オススメなのはワンプレート食器の利用です。やや大きめな一つのお皿で全ての料理を盛り付ける方法です(スープもカップを置けばok)。

簡単なうえに、何となくカフェ風でオシャレにも見えます。手抜きしているように見えないにもグッドポイントですね。
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