旅とリハビリテーションのブログ

良い病院を選ぶ5つの方法「医療・介護・福祉連携」

 下関市での医療・介護・福祉連携

「下関大腿骨頚部骨折・脳卒中地域連携パス研究会 下関医療・介護ネットワーク合同研修会」に参加してきました。とても長い研修会名ですが、急性期病院、リハビリテーション病院、在宅の様々な医療・介護・福祉関連の職種に加えて行政の方も集まる研修会となります。

医療、介護、福祉、行政は業務上で限定的な関わりはあるものの、お互いを深く理解し合う機会は少ないのが現状です。本研修会では、様々な研修内容を通じて相互理解を深めていくことを目的としています。

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下関市の現状

平成29年6月1日現在の下関市高齢化率(65歳以上の人口割合)

男性:29.6%  女性:37.6%  合計:33.9%

出典:下関市公式ウェブサイト

出典:内閣府

日本の総人口に占める高齢化率は26.7%(2015年)であることからも、下関市は特に高齢化率が高い地域であることが分かります。

下関市の高齢化率(33.9%)とは、日本全国で考えた場合に、2035年で到達(上図赤矢印)すると予想されています。つまり、日本全国が約20年後に迎えるであろう「超高齢化社会」に既に突入している地域が下関市なのです。

「超高齢化社会」を迎えている下関市では、多くの課題を抱えているのと同時に、これから日本全国が迎えるであろう「超高齢化社会」にどのように対応していくのか、試金石になる地域であるともいえます。

グループディスカッション

今回は、リハビリテーション病院から在宅に退院した患者さんの事例を通したグループディスカッションを行いました。私のグループでは、介護支援専門員(ケアマネージャー)2名、訪問看護師3名、医療事務員1名、訪問理学療法士1名、病院の作業療法士1名の合計8名による構成となっていました。

グループディスカッションでは、医療と介護・福祉の連携、退院先の情報収集の方法、投薬内容、介護サービスの選択方法など、それぞれの専門的立場から様々な意見が飛び出してきました。私自身も参考となる意見が沢山あったのですが、特に印象に残ったのが「医療と介護・福祉の連携」についてです。

今回の事例もリハビリテーション病院で体調がすぐれない状態が続いていたのですが、「入院期間の制限」により、状態が悪いまま退院してしまいました。しかし、住み慣れた場所に帰って数か月も経つと、非常に元気になっていたという経過でした。

「入院中から住み慣れた場所を意識した関わりが出来ていたら、もっとスムーズに良い状態で退院できたのでは?」医療と介護・福祉の連携不足を指摘する声が多く挙がっていました。

ただし、今回の事例は決して珍しいケースではありません。普段病院で働いている私自身も同様のケースを何度も経験したことがあります。

入院期間の短縮と医療・介護・福祉連携の重要性

現在、国は増大する医療費の抑制を目的として入院期間の短縮(コンセプトにて説明)を進めています。以前であれば一つの医療機関にて、疾病の治療、看護、リハビリテーションをじっくりと時間をかけて行うことができていました。

しかし、現在は疾病の治療を専門的に行う医療機関(急性期)、リハビリテーションを専門に行う医療機関(回復期等)、療養を行う福祉施設(維持期)など各機関・施設の機能(役割)分化が進むことになりました。

上図のように、必然的に医療(急性期・回復期)・介護・福祉の連携が重要となってきます。たしかに一つの医療機関内であれば、必要な連携をスムーズに行うことができます。しかし、所属も立地もバラバラな医療機関が連携することは簡単ではありません。
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適切な連携が出来ているのかの見分け方

入院する患者さんの立場からすると、各医療機関(施設)間にて適切な連携が行えているか否かは、「適切な医療・介護・福祉を受けることが出来るが否か」に直結する重要な問題であります。そこで、各施設が「連携」にどの程度積極的に取り組んでいるか判断するための方法を以下に説明します。

医師・看護師・リハビリが転院先の情報にどの程度詳しいのか?

ある程度の規模がある病院は、入退院の調整を行う「医療ソーシャルワーカー(以下MSW)」といわれる専門家が配置されています。MSWは当然ながら入退院に関わる情報に精通しています。特に、多くの患者さんの転院先となる、同地域のリハビリテーション病院に関する情報には特に強いと思われます。

そこで、敢えてその他の病院職員(医師、看護師、リハビリ)に同地域のリハビリテーション病院について「〇〇リハビリテーション病院はどのような病院ですか?」と質問してみましょう。「情報が全くない」「良い面だけ・悪い面だけを一方的」「取り合ってもらえない」などの反応が複数から返ってきた場合は、病院全体としては、「医療・介護・福祉連携」に積極的ではない可能性が考えられます。

理想的な反応の一例としては、各々のリハビリテーション病院の良い点と課題を同じだけ挙げることが出来ることです。 例)⇒「〇〇リハビリテーション病院の良い点は、交通の便が良くてご家族がお見舞いに行く際も負担が少ないでしょう」「課題としては、リハビリスタッフの数が少ない為、土日のリハビリがお休みになる可能性があります」

医師、看護師、リハビリは自身の専門分野に関しては当然詳しい方ばかりです。しかし、冒頭で述べたように今は「医療・介護・福祉連携」を無視することができない時代になってきています。「医師、看護師、リハビリが時代の流れに取り残されていないのか」=「病院が時代の流れに取り残されていないのか」の判断材料となるのです。

患者さんや家族を加えたカンファレンスが早期から多く行われているか?

特に在宅に退院する場合は、入院中と比べると専門家による多くの支援を受けることが困難となります。よって、患者さんや家族自身がより「主体的」に日々の生活に取り組むことが求められます。

よって、患者さんや家族自身が退院後の生活の「主役」であり「チームの一員」であることを病院側が意識して、早期から多くのカンファレンスへの参加の促しを行うことが重要となるのです。

カンファレンスに外部関係者(介護支援専門員・かかりつけ医)が参加しているか?

高齢者の方の場合などは、入院前よりかかりつけ医や担当の介護支援専門員(以下CM)を持たれているケースも多いと思われます。通常であれば、退院後はまた、かかりつけ医やCMにお世話になることも多いかと思われます。

通常、病院などは外部関係者が入りづらい環境にあります。カンファレンスに積極的に外部関係者が参加している病院とは、「医療・介護・福祉連携」を重要視していると判断することができます。

病院職員が前病院の状況をどれだけ把握しているか?

病院から転院や退院をする場合は、医師や看護師、リハビリによる「情報提供書(紹介状)」が作成されます。「情報提供書」には入院時の情報がそれぞれの立場から詳しく記載されており、病院が変わっても治療内容に一貫性を保つことができます。

担当の医師や看護師、リハビリの方に前病院での自身の状況を敢えて聞いてみましょう。正確に答えることが出来るか否かも良い判断材料となります。

入院中にリハビリが患者さんの在宅・地域に何度出掛けたか?

リハビリ関連の職種は最も患者さんの在宅や地域に関わる機会が多くなります。具体的には以下のケースが挙げられます。

  1. 「入院初期の家屋調査」⇒入院初期に退院先の環境を調査することで、より実践的なリハビリテーションを早期から行うことができる。
  2. 「院外練習」⇒患者さんと一緒に退院先の環境にてリハビリテーション(自宅内での動作練習、自宅周辺の歩行練習、バスの乗降練習、買い物練習等)を実施します。
  3. 「退院前の家屋調査」⇒CMや住宅改修業者とも同行して、患者さんの能力に応じた住宅改修(手摺り・スロープ等)の検討を行います。
  4. 「退院後訪問調査」⇒患者さんの退院後、1週間や1か月後にリハビリ職員が自宅を訪問して、問題なく生活を送れているのか確認やアドバイスなどを行います。

上記の項目は全てが診療報酬として請求できる訳ではありません。つまり、「病院の収益」という側面からは効率の悪い業務と言えます。しかし、効率の悪い業務を敢えて行っているということは、それだけ在宅(介護・福祉)との連携を重要と考えていることになります。

地域全体で患者さんを支える

現在の医療費削減の流れの中で、病院単独での良し悪しの評価には限界があります。病院単独での質の高さは勿論、「医療・介護・福祉連携」をいかに重要視しているかが求められることになるのです。

 

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プロフィール

 

 

病院にて作業療法士として勤務する傍ら、休日は

 

下関を中心とした関門地域のバリアフリー観光情

 

報の収集・発信を行っている

 

森井 広毅(もりい ひろき)と申します。

 

 

ご高齢の方や障がいをお持ちの方が外に出るきっ

 

かけになる情報を。訪れる人が増えることで、下

 

関や関門地域の活性化にも貢献できたらと考えて

 

います。

 

 

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