「食事動作とスプーン操作について」2つの重要なポイント解説
目次
スプーン操作は簡単?
箸操作と比べると、スプーン操作は一見簡単なように思われます。その為、麻痺などの障害を負った方が、食事場面で最初にチャレンジするものがスプーン操作であることも多いです。
しかし、本当にスプーン操作は簡単なのでしょうか?実際の食事場面でも、上手にスプーン操作が出来ていない方を多く見かけます。
スプーン操作に関しても、注意すべきポイントが幾つかあります。ポイントごとに問題点を分析することで、より効果的な対応方法を見つけることができます。
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スプーンの握り直し
①スプーンを手に取る
スプーンの位置にもよりますが、手首を後ろ側に反って(手関節背屈)人差し指と親指でスプーンを挟み込むように持ちます。
残りの指(中指・薬指・小指)でもスプーンを握ります。
②スプーンを握り直す
手首を内側に返して(前腕回内)、親指(上から)と人差し指(下から)でスプーンを挟みます。
親指の力(掌側外転)を使って、スプーンを内側方向に人差し指の上を滑らせていきます。
まずは、人差し指(スプーンの上)、中指(スプーンの下)でスプーンを挟む。次に、親指をスプーンの下側に回り込ませます(時計回り)。3本の指にて鉛筆を持つような形となります。
人差し指、中指、親指の第2関節を曲げて(PIP関節屈曲)、スプーンを水平にします。親指側が真上になるように、手首を外側に少し反します(前腕回外)。
机上からスプーンを取って、使える握りに持ち直すことが、複雑で難しい動作となっています。以外と見過ごされがちですが、特に注意して観察するポイントとなります。
スプーン握り直しの重要ポイント!
人差し指と中指だけでスプーンを挟む
スプーンの柄を外側(持ち手とは反対側)にずらす
スプーンの柄右側から親指を潜らせる。
スプーンの柄左側へと親指を出す。
上記写真、4つの動作を繰り返し行うことで、スプーンの握り直しが可能になることがあります。
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スプーンの握り直しが難しい場合は?
両手を使うことで、動作を簡単にすることができます。
スプーンを水平に置いて、両手でスプーンを持ち上げます。左手でスプーンを支えた状態で、右手でスプーンを握り直しましょう(上記参照)。
そのまま左手を離せばOKです。ただし、食事中など途中でスプーンをもつ場合は、スプーンの柄の方に左手も添えても良いでしょう。
左手でスプーンを支えているので、楽に右手でスプーンの握り直しを行うことができます。以外に簡単なことでしょ?この方法は動作が上品に見える効果もありますのでお勧めです♪
スプーンでの食事
手首を内側に返して(前腕回内)、スプーンを下に向けます。
手首を外側に返して(前腕回外)、スプーンで(食べ物を)すくいます。
肘を曲げる(肘関節屈曲)、手首を曲げる(手関節屈曲)、手首を外側に返す(前腕回外)動作を上手く協調させながら、スプーンを口元まで運びます。
スプーン上の食べ物をこぼすことなく口まで運ぶためには、肘や手首などが上手く協調しながら働く必用があります。
スプーンを水平に保つために重要なポイント
スプーンを水平に保つために最も重要な部位は手首(手関節)となります。
スプーンがお皿に近い位置の場合は、手首(手関節)は親指側に軽く曲がって(橈屈)います。
口に近づくと(肘関節屈曲)、手首(手関節)は小指側(尺屈)、手の平が上側(前腕回内)となります。
スプーンを水平に保つには、手首(手関節)、前腕の動きが重要となります。スプーンの位置に合わせた関節の動きを練習しましょう。
それでも難しかった場合は?
下記のページにて自助具などを利用する方法をご紹介しています。