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軽度認知症(MCI)の解釈と対応方法~受診から診断までの流れ~

軽度認知症(MCI)とは?

軽度認知症(MCI)の定義

  • 正常と認知症の中間の状態。
  • 物忘れはあるが、日常生活に支障がない。
  • 年間10~30%が認知症に進行する(正常からは年1~2%が認知症発症)。
  • 正常なレベルに回復する人もいる(5年後に38.5%が正常化したと報告あり)。
  • 認知症治療薬の効果はないとする報告が多い。

引用文献:厚生労働省老健局「認知症施策の総合的な推進について」

軽度認知症(MCI)の割合

軽度認知症(MCI)から認知症へ進行する割合も、正常へ改善する割合も大きいことが分かります。つまり、軽度認知症(MCI)を如何に早く発見して適切な対応をするかがキーポイントになっていると言えます。

MoCAについて

軽度認知症(MCI)を発見する代表的な検査方法はMoCA(Montreal Cognitive Assessment)が挙げられます。

引用文献:一般社団法人日本老年医学会

MoCAの内容

  1. Trail Making
  2. 視空間認知機能(立方体)
  3. 視空間認知機能(時計描画)
  4. 命令
  5. 記憶
  6. 注意
  7. 復唱
  8. 語想起
  9. 抽象的思考
  10. 遅延再生
  11. 見当識

MoCAの注意点

  • 30点満点中26点以上で健常範囲⇒25点以下でMCI(感度80‐100%・特異度50‐87%)
  • 教育年数が12年以下の場合は1点を追加
  • 検査時間は約10分
  • 検査困難な失語症等のコミュニケーション障害を有する場合は非対象
  • 検査困難な失調や麻痺等の運動機能障害を有する場合は非対象
  • 検査困難な視野障害を有する場合は非対象
  • その他検査遂行が困難な場合は非対象

MoCA特有の検査項目は少なく、一般的な各種認知機能検査と重なる部分が多くなります。日頃、認知機能評価を実施している検者であれば、簡単に実施可能と思われます。

軽度認知症(MCI)診断

私が調べた限りでは、軽度認知症(MCI)を明確に診断する基準は確立されていないようです。ただ、概ね以下のように判別されるようです。

  1. 1つ以上の認知機能(注意・遂行・記憶・言語・知覚運動など)の低下
  2. 上記内容が、本人や家族による自覚、検査者による判断、認知機能評価などにより説明される
  3. ADL・IADL遂行そのものは可能だが、以前より時間がかかるなど多大な労力を要する
  4. せん妄や他の精神疾患で説明出来ない
  5. 認知症ではない
  6. 上記に加えて脳画像や脳脊髄液といったバイオマーカーを利用

認知症ではないけれど認知機能低下がある。ADL・IADL自立だけど労力を要する。うーん、何とも掴みどころのない病態ですね…。

軽度認知症(MCI)を疑ったら

認知症相談医への受診がベストでしょう。認知症相談医は「オレンジドクター」という名称で登録されています。地域の開業医なども登録している為、気軽に利用出来るメリットがあります。

オレンジドクターの役割として以下の項目が挙げられます。

  1. 物忘れや認知症に対する相談
  2. 認知症患者・家族への援助(専門医療機関との連携など)
  3. 地域支援体制への協力(保険・介護関係者からの相談対応など)
  4. 認知症疾患医療センター・認知症初期集中支援チーム・地域包括支援センターなどとの連携

オレンジドクターに関しては、県や市などのサイトから登録状況が確認が出来ます。※オレンジドクターチラシはこちらから

受診までの流れ

本人の意思で受診に行くのがベストです。ただ、家族は心配しているが、本人の意思が無い場合は十分な配慮が必要となります。

行ってはいけないこと

  1. 受診を強制
  2. 嘘をついて受診

軽度認知症(MCI)の場合は認知機能も残存しているケースが多くあります。初期対応を誤ると本人との関係性が崩れてしまいます。今後の治療方針にも影響するので十分な注意が必要です。

本人の意思がない場合の対応方法

  1. 本人の気持ち・困っていることを確認⇒まずは、本人目線で状況を把握することが重要です。
  2. 現状の問題点を本人と共有⇒本人が考える問題点と家族が考える問題点のすり合わせを行います。ここが大切なポイントです。「家族は困っているのか」と気付くことで、「家族の為に協力しよう」と受診に前向きになれるかもしれません。
  3. 気楽な受診を説明⇒上記でも説明したように、オレンジドクターは地域の開業医が担っています。日頃行き慣れている病院で、気軽に受診(相談)出来る事を理解してもらいます。

軽度認知症(MCI)のまとめ

  1. 正常と認知症の中間の状態
  2. 物忘れはあるが日常生活に大きな影響はない
  3. 認知症への移行も正常への移行も割合が多い
  4. 早期発見・早期対応が重要
  5. 代表的な検査方法としてMoCAが挙げられる
  6. 明確な診断基準はないようす
  7. 医師が複数の所見より診断を下す
  8. 認知症相談医としてオレンジドクターの利用がおススメ
  9. オレンジドクターは地域の開業医も担っている為気軽に利用出来る
  10. 受診に強制や嘘は禁忌
  11. 本人と家族にて問題点の共有が大切

 

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プロフィール

プロフィール


下関バリアフリー観光情報の収集・発信を行っている森井広毅(もりい ひろき)と申します。

医療介護施設にて作業療法士として勤務する傍ら、休日は下関を中心とした関門地域で活動。

高齢者や障害者の方が外に出るきっかけになる情報を発信することで、活き活きと暮らす人が増えること。

下関に多くの方が訪れることで、関門地域の活性化にも貢献していきたい。

2004年作業療法士免許取得。回復期病棟や医療療養病棟など医療分野に加えて、訪問リハビリなど介護保険分野も経験。

新病院のリハビリテーション部門立ち上げや通所リハビリ施設の責任者などを担当。

作業療法士→リハビリ専門家、国内旅行業務取扱管理者→旅の専門家、介護支援専門員→介護保険の専門家、住環境福祉コーディネーター→福祉用具の専門家として、「人が活きる」ことを目標として活動中。

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