BLOG

旅と、
リハビリ。

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 医療・介護
  4. 良いデイケア・デイサービスの選び方~現役管理者がお教えします~

良いデイケア・デイサービスの選び方~現役管理者がお教えします~

目次

良いデイケア・デイサービスの選び方について

介護保険を利用される方にとって、デイケアやデイサービスの利用は比較的に利用頻度の高いサービスになると思います。街を歩けば、頻繁にデイケアやデイサービスの送迎車を目にすると思います。つまり、それだけ施設数も非常に多い現状があります。

施設数が多いと、どれを選んだら良いか迷ってしまいますよね。そこで、今回はデイケアやデイサービスを選ぶうえでのポイントについてご説明したいと思います。
スポンサーリンク


デイケア・デイサービスに何を求めるのか?

良いデイケアとは何でしょうか?それは、デイケア・デイサービスに何を求めるかによって変わってくると思います。以下より求める内容を項目ごとに説明します。

心身機能の向上を目的

リハビリの専門家にマンツーマンで指導してほしい(デイケア○ デイサービス▲)

デイケアではリハビリ専門家(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)による最低20分の個別リハビリ(マンツーマン)が義務付けられています。加えて「短期集中個別リハビリテーション実施加算」を算定していれば、倍の40分間で個別リハビリを受けることができます(若干の利用料上昇と期間限定)。

また、リハビリ専門家とは別に機能訓練を行っているケースもあります。例)⇒介護職によるレクリエーションやマシントレーニングなど。

まずは、リハビリ専門家の職種と数を確認しましょう。立ち上がりや歩行など基本動作が得意なのは理学療法士(PT)です。入浴動作や食事動作などADL(日常生活動作)が得意なのは作業療法士(OT)です。話す、聞く、飲み込みなどが得意なのは言語聴覚士(ST)です。自身の求める機能訓練が出来るリハビリ専門家が、どの程度配置されているかを確認しましょう。

最新のリハビリ機器を利用したい(デイケア〇~▲ デイサービス〇~✖)

デイケアでは、医療機関の併設という強みを活かして、医療機器として認定されているリハビリ機器の利用が可能なケースもあります。反面、リハビリ専門家による個別リハビリに重きを置いてリハビリ機器をあまり使用しない施設もあります。

デイサービスでは、施設規模の大小の差が非常に大きく出ます。小規模施設などは、リハビリ機器を全く導入していない場合もありますが、機能訓練に特化した施設では、最新のリハビリ機器(医療機器は×)を充実させて、一般のトレーニングジムにも見劣りしないような施設もあります。

リハビリ機器にもそれぞれ役割(効果)が決まっています。自身が求める効果を出せるリハビリ機器があるかを確認しましょう。

認知症など認知機能向上のリハビリを受けたい(デイケア〇 デイサービス▲)

認知症短期集中リハビリテーション実施加算」を算定している施設(デイケア)では、1週間に2日を限度として、20分以上の時間にて認知症(MMSEで5点~25点)に対するリハビリテーションを受けることが出来ます。

上記加算を取る為には、リハビリテーションに関する専門的な研修を受けた医師が、リハビリ専門家に指示を出してリハビリテーションを行うことが求められます。つまり、認知症に対してより専門的なリハビリテーションを受けることが出来ると言えます。

リハビリ専門家の中でも、認知症など認知機能障害への対応が得意な職種として、作業療法士(OT)と言語聴覚士(ST)が挙げられます。施設の職種別配置状況について確認を行いましょう。

身の回りのこと(ADL・IADL)に対するリハビリを受けたい(デイケア〇 デイサービス▲)

リハビリテーションマネジメント加算」や「生活行為向上リハビリテーション実施加算」を算定している施設では、ADLやIADLに対するリハビリテーションを受けることが出来ます。

特に「生活行為向上リハビリテーション実施加算」に関しては、家庭での役割獲得や社会参加の促進など、IADLや更にその先に踏み込んだリハビリテーションを受けることが出来ます。

ADLやIADLなどを得意とするリハビリ専門家は作業療法士(OT)となります。OTの配置状況とリハビリテーションの内容について確認を行いましょう。※勿論、PTやSTもADLやIADLへのリハビリテーションは行います。

嚥下機能(飲み込み)のリハビリを受けたい(デイケア〇 デイサービス▲~✖)

口腔機能向上体制加算」とは、言語聴覚士(ST)や看護師、歯科衛生士などが、口腔機能が低下している方にリハビリテーション(指導・訓練)を行う施設が算定しています。

リハビリテーションという視点で考えれば、言語聴覚士(ST)が配置されている施設が望ましいと思います。リハビリテーション専門職種の中でもSTは数が不足しています。更にデイケアに所属するSTになると、特に希少な存在となりますので積極に利用しましょう。

栄養状態の改善(痩せすぎ改善)したい(デイケア〇 デイサービス▲~✖)

栄養改善体制加算」を算定している施設では、管理栄養士が低栄養状態の改善に向けた計画と対策を実施することが出来ます。

「栄養状態」はリハビリ効果を左右する非常に重要な因子となります。通所施設に管理栄養士が配置(非常勤を含む)されるケースは現状少ないと考えられます。管理栄養士が配置されている施設を見つけたら、利用を積極的に検討してみても良いでしょう。

事業所をステップアップ(社会参加)したい(デイケア〇 デイサービス✖)

社会参加支援加算」を算定しているデイケア(デイサービスはなし)では、ADLやIADLの向上により、家庭内での役割獲得や社会参加の促進などにより他のサービスに移行する方が一定数存在することになります。

「他のサービスへの移行」とは、デイケアから、指定通所介護、認知症対応型通所介護、一般介護予防事業などへ移行することを指します。

スポンサーリンク


利用そのものが目的

重度介助が必要な方が利用したい(デイケア〇 デイサービス✖)

重度療養管理加算」を算定するデイケア(デイサービスはなし)では、要介護度が3~5にあり、かつ医学的な管理が必要(人工呼吸器など)な方にも対応できる施設になります。

似たような名前で「中重度者ケア体制加算」があります。これは、施設(デイサービスもあり)全体で、要介護3以上の方が3割以上いること。専従の看護師など特定の人員基準を満たした場合に算定されるものです。

若年性の認知症を有する方が利用したい(デイケア○ デイサービス○~▲)

若年性認知症利用者受入加算(40~65歳)」を算定する施設では、個別に担当スタッフを決めて、利用者や家族のニーズに沿ったサービスを提供することが出来ます。

若年性認知症利用者や家族に応じたニーズとは?私達リハビリの専門家でも日々悩む問題でもあります。制度的には曖昧な表現になっていることも気になります。具体的にどの様なサービスが提供されるのか確認することが必要となります。加えて、同年代の利用者(同じ境遇)がいるか?も重要な要素かと思います。

時間延長で利用したい(デイケア○ デイサービス○)

時間延長サービス加算」を算定する施設では、通常、7時間以上9時間未満のサービス提供時間に連続して延長利用することが可能となります。

家族の急な用事など、時間を延長して施設を利用することが出来れば非常に便利だと思います。時間延長サービスが可能な施設ということは、人員などの態勢を整えていることの目安にもなります。

重症者の送迎をお願いしたい(デイケア○~▲ デイサービス○~✖)

例えば、寝たきりの方(車椅子も困難)な場合はストレッチャーでの送迎が必要となります。ストレッチャーの場合は複数人での介助に加えて、専用の送迎車(寝台車など)も必要となる為、対応できる施設は限られてきます。

寝台車などの特殊車両は、ある程度の規模である施設に限定される可能性があります。施設の所有する送迎車なども調べることも効果的です。

レクリエーションや行事参加など楽しみを重視したい(デイケア▲ デイサービス○)

デイケアではリハビリテーションを中心としたサービス提供が主になります。場合によっては病院的な固い印象を受けるケースもあるかもしれません。反面、デイサービスでは行事内容や娯楽施設を充実させるなど、「楽しみ」に重きを置いたサービスを提供するケースも多くあります。

デイサービスに関しては様々なタイプが存在してます(機能特化型、認知症対応型、小規模施設、大規模施設など)。自身の希望に沿ったサービスを受けることが出来るのか、必ず確認を行いましょう。

施設の客観的な情報と限界

介護事業所の情報に関しては、全国の施設データが厚生労働省より公表されています。お住まいの地域の情報を良く吟味したうえで次への行動を考えましょう。

厚生労働省:介護事業所・生活関連情報検索

ただし、施設情報(加算状況)はあくまでも、一次情報として扱うようにしましょう。自身の目で必ず確認(施設の体験利用など)を行うことが最も重要です。

まとめ

  1. 施設利用の目的を明確化
  2. 加算状況だけではなく、加算件数(実際に行った数)も確認
  3. リハビリの専門家にマンツーマン指導を受けたい⇒PT・OT・STの配置状況を確認
  4. 最新のリハビリ機器を利用したい⇒施設の機器配置を確認(機器の役割・効果も確認)
  5. 認知機能向上のリハビリを受けたい⇒認知症短期集中リハビリテーション実施加算の算定状況に加えて、OTやSTの配置状況も確認
  6. ADL・IADLに対するリハビリを受けたい⇒リハビリテーションマネジメント加算や生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定状況に加えて、OTの配置状況も確認
  7. 嚥下機能(飲み込み)のリハビリを受けたい⇒口腔機能向上体制加算の算定状況に加えて、STの配置状況も確認
  8. 栄養状態の改善(痩せすぎ改善)したい⇒栄養改善体制加算の加算状況を確認
  9. 事業所をステップアップ(社会参加)したい⇒社会参加支援加算の加算状況を確認
  10. 重度介助が必要な方が利用したい⇒重度療養管理加算や中重度者ケア体制加算の算定状況を確認
  11. 若年性の認知症を有する方が利用したい⇒若年性認知症利用者受入加算の加算状況に加えて、同じ境遇の利用者がいるかも確認
  12. 時間延長で利用したい⇒時間延長サービス加算の加算状況を確認
  13. 重症者の送迎をお願いしたい⇒施設が所有する送迎車の状況を確認
  14. 厚生労働省より全国の介護事業所のデータが開示されインターネットで閲覧可能
  15. 加算は一次情報であり大切なのは自身の目で確認すること




リハのお仕事

関連記事

ブログ