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認知症と下関バリアフリー観光

認知症高齢者の急増

内閣府の平成28年版高齢社会白書によると、平成24年には認知症患者が462万人と、65歳以上の7人に1人でしたが、平成37年に約700万人、5人に1人になるといわれています。つまり、私たちの身近な人が認知症を患う可能性が高くなっているといえます。

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それでは今現在、認知症を患っている方々(以下、本人)はどの様な暮らしをされているのでしょうか?

認知症の方々の暮らし

認知症の症状は一般的には段階的に進行することが多いと言われています。本人は、今まで出来ていたことが出来なくなっていくことに対する「喪失感」を強く感じることになります。自信を喪失する中で、少しずつ周囲の人々との関わりが減っていき、やがては「閉じこもり」の生活につながっていきます。

「閉じこもり」生活は単調な刺激しか脳に入りません。単調な刺激は認知症の進行をますます早めることになります。結果、更に周囲との関わりが減ってしまうという悪循環に繋がってしまいます。

認知症の方々の家族の暮らし

認知症の方の家族もまた、一緒に苦しんでいるのではないでしょうか。最も身近にいた配偶者が、両親が、兄弟が自信を喪失していく姿を、隣で見守り支えていくことの苦労は想像に余りあります。

「閉じこもり」生活となった本人の家族もまた、周囲との関わりが減っていくことが多くなります。本人の生活パターンに合わせる必要があるため、介護負担による心労で、周囲の視線が気になるため等々、様々な原因により家族もまた「閉じこもり」生活に陥ってしまいます。

本人を支える家族の「閉じこもり」。家族の問題は本人にも良い影響は与えません。結果、更なる認知症の悪化を招く、二重の悪循環に陥ってしまいます。

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認知症の本質とは

認知症とは

  • 注意⇒特定の物事に一定の集中を続ける能力。
  • 実行機能⇒目的を達成するために、一連(複数)の行動を行う能力。
  • 記憶⇒物事を覚えておく能力。
  • 言語⇒考えを言葉にする、言葉を理解する能力。
  • 知覚運動⇒視覚や触覚などにより受けた感覚を利用して、効率的な運動を行う能力。
  • 社会的認知⇒社会的ルールを守るなど、社会生活を営むための能力。

以上の能力に障害が発生(中核症状ともいわれます)することにより、「日々の生活の自立を阻害」されている状態が認知症といわれます。

本当の認知症障害とは

参考文献:臨床リハ2016・9月号

上表は認知症に伴う病識(生活上の問題の受け止め方)に関しての調査結果です。

青棒⇒認知症本人の受け止め方。

橙棒⇒家族の受け止め方。

棒グラフが高い程、問題を深刻として捉えています。

軽度認知障害の場合は、本人・家族共に問題の深刻度を同じ程度に捉えています。しかし、中度認知障害になると、本人の深刻度は低下する反面、家族の深刻度が跳ね上がっていることが分かります。つまり、認知症が進行するにつれて、本人と家族の間で、問題の深刻度の捉え方に「大きなギャップ」が生じてしまうのです。

家族⇒介護もこんなに大変なのに、本人は深刻に捉えていないようだ!⇒ストレス↑

本人⇒何で、家族はいつもイライラして自分に接するのか?⇒ストレス↑

この「大きなギャップ」こそが本人、家族を苦しめる大きな要因になっているのだと思われます。

認知症に対するリハビリとは

認知症に対する介入方法の種類

大きく分けて3種類あると言われています。

  • 認知機能全般への介入⇒現実見当識練習(今を意識してもらう)、回想法(後述)等。
  • 認知機能別への介入⇒記憶練習、計算ドリル等。
  • 生活機能への介入⇒上記2項目に加えて「運動」を行う。

回想法とは

例えば、本人が認知症を患う前まで農業を営んでいたとします。

上記写真を見せて、「昔は稲刈りも鎌で全てやっていたんですね」と声掛けをしたらどうでしょうか?多分、本人から何等かの反応が見られるのではないでしょうか?「そうだ、そうだ、昔は大変だったんだよ」なんて反応が返ってくるでしょうか。

次に、実際に鎌を出して「実は庭の草刈りをしようと思うのですが、鎌の使い方を教えてくれませんか?」と声掛けをします。人から助けを求められて嫌な気分になる人はいません。それは認知症を患っていても同じだと思います。本人は「仕方ない、教えてやろう!」と言ってくれるのではないでしょうか。

実際に本人と庭で草刈りをしながら「やはり鎌の使い方が上手ですね!」などと本人に声掛けをすることで、人から求められる⇒自信の回復につながります。また、草を刈るという運動や感覚も脳に心地よい刺激をもたらすことになります。

認知症と観光

上記にて述べた、認知症本人に対する介入はリハビリテーション病院、通所施設、入所施設などで普及しつつあります。しかし、認知症への対応は本人だけではなく、家族にも必要となります。

そこで私は、「観光」をお勧めします。

昔、本人と行った場所で思い出巡りをすることも良いでしょう。初めて行く場所でも、美しい景色や美味しい食べ物を食べることも良い刺激になると思います。そして何よりも、家族がリフレッシュすることで、自然と笑顔になることが最も大切なことになります。家族が笑顔でいることが、本人の何よりも安心につながり、心が穏やかになれるでしょう。

認知症の観光と注意点

認知症本人と家族による観光に関して幾つか注意すべき点があります。

認知症の特徴として、新しい環境に慣れることが困難なことが挙げられます。慣れ親しんだ場所を離れることで不穏状態(不安症状が極端に大きくなること)になる場合は、新しい場所への観光は十分に注意して下さい。

認知症の方は一般的に高齢の方が多いと思われます。認知症とは別に病気の既往がある場合は、かかりつけの先生に相談したうえで観光を検討して下さい。

認知症と下関バリアフリー観光

今回のブログを読んでみて「観光してみようかな」と思われたなら、是非、下関も検討してみて下さい!下関は温暖で気候も良く、数々の歴史舞台にもなり、山海の幸も豊富です。また、昭和の街並みを残すスポットも点在しており、何かしら心に触れるものがあるはずです。

当サイトは下関バリアフリー観光情報を提供していますが、認知症の方に対する情報はまだまだ不足しています。少しづつでもそのような情報も追加していく予定です。

下関にて皆さんがお越しになるのを楽しみにしています!

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プロフィール

プロフィール


下関バリアフリー観光情報の収集・発信を行っている森井広毅(もりい ひろき)と申します。

医療介護施設にて作業療法士として勤務する傍ら、休日は下関を中心とした関門地域で活動。

高齢者や障害者の方が外に出るきっかけになる情報を発信することで、活き活きと暮らす人が増えること。

下関に多くの方が訪れることで、関門地域の活性化にも貢献していきたい。

2004年作業療法士免許取得。回復期病棟や医療療養病棟など医療分野に加えて、訪問リハビリなど介護保険分野も経験。

新病院のリハビリテーション部門立ち上げや通所リハビリ施設の責任者などを担当。

作業療法士→リハビリ専門家、国内旅行業務取扱管理者→旅の専門家、介護支援専門員→介護保険の専門家、住環境福祉コーディネーター→福祉用具の専門家として、「人が活きる」ことを目標として活動中。

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